2011年5月アーカイブ

ミランに約10年間所属したアンドレア・ピルロ選手が今年度で契約満了になり、フリーの状態でミランを退団する事になりそうです。ピルロが所属していたこの10年間というのは、ミランのフットボール=ピルロと言っても過言ではないものでした。そんな蜜月を過ごしてきたミランとピルロに何があったのでしょうか。
現時点で退団の理由を本人の口から明言しておらずあくまでも推測になりますが、近年のミランを見続けてきた私の見解を書いてみようと思います。

彼にとって契約延長の条件とは年俸や契約年数の問題ではなかったと思われます。
現状で極端な話をすれば400万ユーロの3年契約(今年までは推定年俸600万ユーロ)をミランが提示したとしてもピルロは残らなかったでしょう。彼は今までに十分な評価をミランから受けており本人もそれを十分に理解していますし、もはや契約の問題というのはそれほど問題ではないでしょう。

だったら何が問題なのか。
それはミランのフットボールが大きな転換期にあるという事に他ならないと思います。

今までのミランのフットボールはまさに「ピルロシステム」と呼ばれていた、ピルロを中心としたフットボールでした。
ボールポゼッションを相手以上に取りながら絶対にボールロストをしないピルロにセンターサークル付近でボールをキープさせ、その間にサイドバックを含むすべての攻撃的選手がスペースを探してフリーランを行います。そこでピルロが戦術的判断により最適な選択を取り、パーフェクトな長短織り交ぜたパスを味方に提供する事で決定的なゴールチャンスを生み出していました。
この戦術というのは優秀なサイドバック(カフー、マルディーニ、セルジーニョ、ザンブロッタなど)と優秀な攻撃的選手(カカー、シェフチェンコ、セードルフ、インザーギ、トッティなど)が居ないとまず成り立ちません。こういったスピードとテクニックを兼ね備えた選手が居ないとただの遅攻になってしまいます。これがアンチェロッティのミランや2006年イタリア代表が成功した戦術の一つでした。
私が2007年に横浜で見たミランのフットボールで一番感動したのはこの戦術でした。その時既に多少の劣化はしておりましたが、ピルロがボールを持った瞬間に両サイドバックが上がり、カカーがスペースを探して走り回り、インザーギとジラルディーノがポジションチェンジを繰り返しながらDFの裏を取ろうと走り回る。そうして出来た相手DFと守備的MFの2ラインの間に出来たスペースを使って危険なシーンを作り出す。
まさにスペクタクルでした。これほどシステマチックなフットボールを間近で見れた事に素晴らしい感動を覚えました。テレビでは見れない、スタジアムだからこそ見れたチーム全体の動きでした。

それも選手が変わり、監督も変わった今ではこの戦術をめっきり見る事が出来なくなりました。
一つの時代が終わり、新しい時代が始まろうとしているからでしょう。

そこで現監督アッレグリが取った戦術は、今までピルロが居た位置に守備力の高い選手(アンブロジーニ、ファンボメルなど)を置き、ボールをキープさせるのではなく素早くボールを捌かせるという戦術です。これはイブラヒモビッチやパトなどの現有戦力に合わせた戦術であり、中盤の深い位置でボールをキープしようとすると今のピルロのキープ力ではボールロストをしてしまう事が多く、そこからカウンターを受けるというリスクが軽減されるからです。実際近年ではこの位置でピルロがボールロストするシーンを頻繁に見るようになりました。それとこの位置でボール奪取が出来ると相手のカウンターを防ぎミランのチャンスにつながるからでもあります。残念ながらピルロの守備力ではこの位置でのボール奪取に期待する事はほとんど出来ません。
そこでアッレグリが考えたのが左MFの位置にピルロを置くという方法でした。こうするとピルロが中心の戦術ではなくなりますが、攻撃パターンの一つとしては絶大なる効果を発揮します。真ん中でプレーするよりも守備に割く時間帯も減ります。
しかし、ピルロにはその役回りが納得出来なかったのでしょう・・・。
世界でも有数のレジスタとしてそれを受け入れる事は出来なかったのだと思います。それなら他のチームで自分を本来のレジスタとしてポジションを約束してくれるチームへの移籍を選択したのでしょう。悲しいですがそれがピルロの選択だった訳です。ミランが複数年契約の打診をしなかった事も少しは影響したのかもしれません。これは自分がミランで今後絶対的な存在ではなく、ポジションを確約できない事を通達されたことでもあるという意味でです。ミランとピルロの間には何の問題もなかったのですから。

これが今回のピルロ問題の全容だと私は考えます。

現在のピルロの移籍先の候補として最有力なのはユベントスであると言われています。
ユベントスには中盤の選手で戦術理解度の高い選手は居ませんし、ピルロが入る事によって活きるようになる選手も居ます。何よりもピルロのメンタリティは現在の若手主体であるユベントスには必要でしょう。ユベントスがピルロのポジションを約束するのであれば間違いなく良い移籍先だと思います。

ミラニスタの皆にとっては悲しい事ではありますが、ピルロ個人の考えを尊重するのであれば今回の件は仕方のない事でしょう。
どんなに悲しくても何が起きても、フットボールはそれでも続いて行くのだから。

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7年ぶりの優勝。
MILANISTAオープン後初タイトル。

感慨深いです。

今季も多くのミラニスタの方々に来店していただけました。
mixiのミランコミュニティ観戦会を当店にて開催していただけました。
twitterを通じて多くの知り合いもできました。
もちろんオープンしてからずっと一緒に応援して下さる方々にも今年も一杯会えました。
全ての皆さまに感謝です。
ミランというフットボールクラブを通じて生まれた色々な出会いに心から感謝です。
本当に幸せを感じる事の出来るシーズンでした。


感謝の気持ちを込めましてMILANISTAにて優勝記念サービスをしたいと思います。
残すミラン戦に観戦に来てくださったお客様でミランのユニフォームを着用されている全ての方に、
1、チャージ無料
2、ご提供する全品100円引き
のサービスをさせていただきます。

また皆さまにお会い出来る事を楽しみにしております。