偉大なる英国紳士

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「切れた」――。ピッチサイドリポーターによると、ベッカムはそう伝えたという。予想だにしない言葉を耳にしたミランベンチは慌て、ピッチサイドで処置を受けるベッカムは涙を流した。

無理もない。もともと、ベッカムがミランに来たのは、イングランド代表としてW杯に出場するためである。レンタル元であるLAギャラクシーとの契約問題を整 理するために私財を投じたことも、家族と離れてイタリアで暮らすことも、すべてはファビオ・カペッロ代表監督に認められるためだった。あらゆるものを捧げ て目指した夢が、目前で泡と消えたショックはどれほどのものか。計り知ることなどできない。

レオナルド監督が、「デイビッドの負傷で勝利の喜びは半減だ」と話したように、試合後のミラン陣営は誰もがベッカムの不運を嘆いた。ロスタイム弾による劇的勝利後のチームとは思えない硬い表情は、事態の深刻さを説明するのに十分だった。

しかし、そんな中で柔らかい表情を浮かべた選手がいた。ベッカムである。最もショックを受けているはずの彼が、カメラの前で穏やかな表情を見せたのだ。ミランのスーツに着替えたベッカムは、帰路につくためサン・シーロの地下駐車場へやってきた。わずかな振動が足に響くのか、松葉杖をつくベッカムは時折しかめっ面になる。だが、地下駐車場にいた関係者らから拍手で迎えられた彼は、車の助手席に座ると軽く親指を立てた。さすがに悲嘆のすべてを隠すことはできなかったが、気丈に振る舞う姿は印象的だった。

試合が終わってすぐ、ベッカムは翌15日にフィンランドへ渡ることが決まった。こういった治療のエキスパートの診断を受け、その後、手術が行われる予定とのことだ。しかし、ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ副会長は、「一般的に考えて、5~6 カ月は必要」と復帰時期を見積もっている。残念ながら、どんな名医が診たとしても、ベッカムを夢の舞台に導くことは厳しいだろう。

それでも、彼の努力が無駄ではなかったことは証明されるべきだ。なんとしてもW杯に出たいというベッカムの意欲は、すべての人に伝わっている。だからこそ、レオナルド監督をはじめとしたミラン陣営は誰もが肩を落とし、メディアも重いトーンでこの話題を報じた。

彼の代表への執着心は、ミランとイングランドのモチベーションへと昇華されなければならない。デイビッド・ベッカムは、ただの世界一有名なサッカー選手ではない。


Goal.comのコラムより転載させていただきました。
このコラムはベッカムという選手を正面から見つづけた方だけが書けるコラムだと思い、とても心のこもったいい文章だったのでそのまま載せさせていただきました。

ミランというチームはイングランド人によって創設されたクラブです。なのでミラノを英語読みしたミランという名前なのです。しかしながらミランというチームではイングランド人が活躍する事はありませんでした。はじめてと言っていい選手がデイビット・ベッカムです。
彼の振る舞いは英国紳士そのものでした。私にはパオロ・マルディーニのそれと変わらない、ミランという洗練されたクラブにふさわしいものに見えました。昨年の年明けにはじめてプレーした時も長年このクラブでプレーしていたかのようでした
し、このクラブになじむのにも時間はかかりませんでした
このような偉大な選手がこんな形でミランとの契約を終えてしまう事は本当に残念でなりません。

世界中のだれもが知っているフットボーラーであり、人格者であった彼が、ミランでプレーした記憶は私は一生忘れません。

今後の彼のフットボール人生が素晴らしいものになりますよう心から祈っています。
そして、彼の為にも何が何でもスクデットを!!!


FORZA BECKS !!!
FORZA MILAN !!!

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このページは、キャプテンが2010年3月16日 04:31に書いたブログ記事です。

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